ロ包 ロ孝 2
「どうだ? 林の様子は」
「事故の様子をつ、伝えてはみましたが、まだ意識が明瞭ではないよ、ようです」
精神的に不安定な副官の野木村に代わって大沢が報告する。
「大分酷いと聞いたんだが……」
林は肩から地面に落下し、脱臼してはいるものの、着地したのが乾いた砂地だったことも手伝って、内臓その他への深刻なダメージは負っていなかった。
風が弱い日だったので、体温が奪われるのも最小限で済んだ。幾つもの偶然が少しずつ良い方へ重なって、今の林は存在しているのだ。
「左手の手首からさ、先が凍傷を負っていて切断を余儀なくされました。でも復旧可能な程度なのでご、ご心配には及びません」
清水は溜め息と共にサングラスを外し、シャツの裾でそれを磨きながら漏らした。
「……良かった」
そして野木村に向かうと厳しい口調で告げる。
「今回の件で我々の予定は大幅に狂ってしまった。かと言ってブルー·タスクとレッド·ネイル以上の結果を残せるグループは考えられない。そこでいいか野木村」
「ヒャイッ」
自分には関係ない話だとたかを括くっていた野木村は、すっとんきょうな声を上げながら直立不動の体勢を取る。
「今度のミッションは、お前が林に代わって指揮を取れ! 解ったな」
「で、でもぉ、コマンダー」「問答無用! 小池の所へ打ち合わせに行ってこい!」「わ、解りました」
野木村は早速山路を連れ、レッド·ネイルの事務所へと向かった。
「事故の様子をつ、伝えてはみましたが、まだ意識が明瞭ではないよ、ようです」
精神的に不安定な副官の野木村に代わって大沢が報告する。
「大分酷いと聞いたんだが……」
林は肩から地面に落下し、脱臼してはいるものの、着地したのが乾いた砂地だったことも手伝って、内臓その他への深刻なダメージは負っていなかった。
風が弱い日だったので、体温が奪われるのも最小限で済んだ。幾つもの偶然が少しずつ良い方へ重なって、今の林は存在しているのだ。
「左手の手首からさ、先が凍傷を負っていて切断を余儀なくされました。でも復旧可能な程度なのでご、ご心配には及びません」
清水は溜め息と共にサングラスを外し、シャツの裾でそれを磨きながら漏らした。
「……良かった」
そして野木村に向かうと厳しい口調で告げる。
「今回の件で我々の予定は大幅に狂ってしまった。かと言ってブルー·タスクとレッド·ネイル以上の結果を残せるグループは考えられない。そこでいいか野木村」
「ヒャイッ」
自分には関係ない話だとたかを括くっていた野木村は、すっとんきょうな声を上げながら直立不動の体勢を取る。
「今度のミッションは、お前が林に代わって指揮を取れ! 解ったな」
「で、でもぉ、コマンダー」「問答無用! 小池の所へ打ち合わせに行ってこい!」「わ、解りました」
野木村は早速山路を連れ、レッド·ネイルの事務所へと向かった。