ロ包 ロ孝 2
「燃料や物資の補給はレッド·ネイルが完璧にサポートしてくれるわ? 私達は出す物が無いから、知恵と人間を出すのよ」

「人間って言ってもぉ……はぁ、心細いなぁぁ」

 野木村を筆頭に山路、大沢の両名。サポートメンバーとして西村、三宅、保坂の合わせて6名で今回のミッションは行われる。

「い、いつもは林さんが5人分の働きをしてくれていましたからこ、これでも10人分の機動力だったわ、訳ですよ」

 指折り数えて大沢の話を聞いていた野木村は言った。

「私達6人にミッツィーの5人で11人じゃない。大沢は算数も出来ないの?」

「の、野木村さんは頭数に入れてま、ませんから、はっはっはっ」

 大沢に笑い飛ばされて野木村にイキナリ火が点いた。

「なんだとぉ? んならやってやろうじゃねぇか! 俺が本気出したらどんな事になっか、お前らに見してやっからよぉ!」

 普段の野木村からは想像も出来ない野太い怒声は、事務所中に響き渡った。

「ぃよっ! 日本一! よ、宜しく頼みますよっ?」

 あくまでもおちゃらけた態度で囃し立てる大沢を見て、西村他サポートメンバーの3人はオロオロしながら成り行きを見守っている。

しかし山路はと言えば、有ろう事か笑顔さえ浮かべていた。

「……山路さん。お2人を放っといてもいいんすか? ヤバイっしょ」

 西村がおそるおそる囁き掛けた。

「ああぁ、いいんですよぉ。喧嘩にはなりませんからぁ。あれは野木村のトップギアなんですよぉ」

 林が覚醒しかけた時に救護施設でも垣間見せた『漢·(オトコ)野木村』は、所謂火事場の糞力のような物で、感情の高まりに依って出現する。

「大沢はねぇ、故意に野木村を焚き付けたんですよぉ!」

 『乙女心』から解き放たれたむくつけき男の肉体は、林と迄は行かないが、かなりの能力を発揮するのだ。

 そのさらさらヘアーを頭の後ろで縛り、更に戦闘モードに入った野木村は言った。

「こうなったからには仕方ねぇ、お前らもさっさと支度しやがれ」

「はい!」「了解」

 そしてミッションはスタートした。


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