こちらミクモ探偵事務所2
「アロマオイル……」
かろうじてそれだけ読めた。
「アロマオイル?」
羽兎が首を傾げながら、言葉を反芻する。
紘哉は少しためらうと、思い切ったようにふたを開けた。
手で扇ぎ、匂いを確認する。
効果が切れてきているのか、微かな匂いしかしない。
「私にも貸してー」
羽兎は紘哉から瓶を取ると、鼻の近くに持って行く。
確認すると、彼女は顔をしかめた。
「何かさ……癒されない匂いだね」