こちらミクモ探偵事務所2

今まで静かだった羽兎が口を開いた。
皆が一斉に羽兎の方を見る。

「だってさ、定侍さんいい人だもん。絶対に人殺しなんてできないよ」

「それはワトコの主観にすぎないだろ」

「でも……絶対に違う!」

羽兎は力強く訴えた。
いつもとは違う雰囲気に、紘哉は口を閉じた。

重い静寂。
やがて、ポツリと定侍が口を開いた。

「……ごめんね、ワトちゃん」

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