こちらミクモ探偵事務所2
「こっちはそんな暇なんて無いんですよ」
紘哉は真っ黒なスーツを整えながら言う。
「慌てんでもよかろう。死体は逃げたりしない。
ほれ、見てみなさい。あの遠くに見える山を」
茶色いスーツを着た男性は遠くを指差した。
紘哉は耐えきれなくなり、近くの机をバンと叩いた。
「お願いですから足がガクガクするので、これ以上ここに留めるのは止めてください!」
そして――高所恐怖症でもある。