こちらミクモ探偵事務所2

「……」

カナは何も言わず、目をそらした。
そして。

「……ワイン下さい。一緒に飲んで欲しいの」

「承知しました」

紘哉はほくそ笑むように目を細め、返事をした。

「お前やるなぁ」

隣で美月が感心したように声をあげる。
紘哉は黙って頭を下げた。

しばらくすると真っ赤なボトルワインが運ばれてきた。
紘哉はそれを器用に開け、ワイングラスへと注ぎ入れる。

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