空を翔びたい




俺がそっぽを向いて、口を尖らせていると、隣から嬉しそうな紅葉の声がして、横目で盗み見ると、泥の取れたスパイクを見て満足そうに笑っていた。


俺のことは放置かよ。


そして、泥付きの木の枝が紅葉の手から鋭く突き刺すように飛び出す。




「飛んでけーっ」



…しかし、木の枝は数メートル先で静かに落下。

それを残念そうな目で見る紅葉を俺は見ていた。


…木の枝が落ちたくらいで
なんでそんな顔するんだよ。

空まで翔んでくとか
そんなこと思ったのか?





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