空を翔びたい
頭を強くぶつけた紅葉に残った障害は両足による麻痺だった。
紅葉にそれを伝えた医者はリハビリをすれば多少歩けるようにはなるが、と言った。
紅葉はその言葉に表情一つ変えずにこう言った。
「走れないなら足のある意味なんてないよ。だって、歩いてじゃ空には行けないんだから」
そして、空を見る。
紅葉の目に、この青空はどう映っているのだろうか。
そう考えただけで、
恐ろしくて鳥肌が立った。
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