空を翔びたい



昔から、変な奴だった。



木登りが得意で、
でも木から降りるのは
超が付くほど下手くそだった。


そのくせいつも
木の上に居て、鼻歌を上機嫌に奏でているんだ。



時には、夜空の星を数えてみたり、

雲を食べ物に見立ててみたり、



なんだかんだ、
いつも楽しそうに
笑っていた。




紅葉は空が大好きで。



よく言っていた。



「将来はあたし、鳥になるの」







< 3 / 80 >

この作品をシェア

pagetop