空を翔びたい






「だから、さ……」



ふ、と紅葉に目をやると、珍しく素直に、俺の思い出話、と言うか文句を聞いてるからつい笑みが溢れた。



「何笑ってんのよ」


「あ、わりわり」



口を尖らせてそっぽを向いた紅葉は少し間を開けて、背を向けたまま「で?」と、話の続きを促した。





< 55 / 80 >

この作品をシェア

pagetop