空を翔びたい




紅葉の明るい髪がさらりと揺れて、
濡れた瞳が不思議そうに俺を見る。



「わがまま?」


「そ」



その瞬間、紅葉は勢いよく俺の前髪をちぎれるんじゃないか、てかまじハゲるって、なんて心配になってしまうほど握り、ぐっと自分の顔に近付けた。



「だれがわがままだってぇ?あぁん?」





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