空を翔びたい





「な!!」



咄嗟に俺の頭から手を放すと、そのまま勢いよく突き放した。




………拒否された。


なんて、ショックを受けていると目の前には頬を真っ赤に染め、目を見開き、手の甲で唇を隠す紅葉が星の明かりに照らされてはっきりと見えた。


そして、恥ずかしそうに目を反らす。





「何処にも行くなよ」


紅葉が好きで、好きで。


好きで、好きで。




仕方ないんだ。






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