空を翔びたい




「……どうして?」


まだ熱を帯びた顔を隠すようにそっぽを向いた紅葉が口を開いた。



「あたしがここにいるって分かったの?」


「ん?あぁ、夢を見たから」


「夢?」



紅葉が不思議そうに振り返った。



「そ、夢。紅葉が翔ぼうとしてる夢」


「そっか…」



目を伏せて、小さく微笑む紅葉にを再びぎゅっと抱きしめる。





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