空を翔びたい




そして、その少年はうまい棒のゴミをグリグリと無理矢理、ポッケに押し潰しながら入れると、空いた両手で木によじ登る。



「そっか。僕のこと知らないのか。まぁ、入学したばかりだしそうだよね、それに…」


紅葉ちゃんいつも窓の外見てるもんね、と笑ながらそう言って、あたしの居る所より少し下の所に腰を降ろす。



「ここまで、降りて来てみ?」


「え?」


「降りれないんだろ?僕が手伝ってあげるよ」






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