空を翔びたい





「違うよ」



へらっ。


と、笑顔で即答。

グーパンチ思いっきり喰らった気分だ。恥ずかしいし、なんか痛い。



スパイクの裏に付いた泥を木の枝で丁寧に取っている紅葉の隣で俺は自分の自惚れさに顔を熱くしていた。


「じゃ…なんで陸上部?」



すると、せっせと泥を落としていた手を止めて、木の枝で空をさす。




「いつか行けるかなって」







< 8 / 80 >

この作品をシェア

pagetop