150年後のラブレター
「睦月さん!?あ、俺です。輝です」
「分かってる」
「あ・・そうですよね」と小さく漏らす輝の少し落ち込んだ姿が頭に浮かぶ。
「えっと、今どこですか!?」
「あれ?メール見なかった?」
「いや、見ましたけど・・・用があるって・・・京都に知り合いなんて居たんですか?」
焦ったような声が電話越しから聞こえる。
「別に、人に会うって言ってないけど・・・」
「あっそっか・・・」
「まぁ、知り合いは居なくもないけどね」
「え?」
「とりあえず、すぐ合流するから。あんまり心配しないで」
最後の輝の「はい・・・」という声を確認し、電話は途切れた。
睦月はポケットではなく、鞄にケータイをしまうと、今度こそ海へと足を進めた。