150年後のラブレター
「あの・・・・」
すると我に返ったように、ピクリと体を跳ねさせ、冷静を保たせている。
その様子がなんとも必死に見えて仕方が無い。
「えっと、まずは名前を聞こうか」
落ち着きの無い声と、「座って」という手振りに誘導され、丸い木の椅子に腰掛けた。
「あ、蒼井睦月です・・・」
「蒼井睦月さんね」
白い紙の上でスラスラとペンを走らせるが、それもどこか不自然で。
「今日はどんな占いを?恋愛運?仕事運?それとも・・・」
そう聞かれるも、どんなことを占ってもらおうかなんて考えていなかった睦月は、「うーん」と言葉を伸ばし、考える素振りを見せた。
が、先に占い師が口を開いた。
「あの・・・ちょっと聞いてもいいかな?」
「・・・・・・・はい?」
こんなシナリオ、占いにはないはず。
そう思いながらも、睦月は首を縦に振った。