150年後のラブレター
いつの間にか溢れていた涙を拭うことも忘れ、睦月は読み終わっても手紙から目を離さなかった。
「沖田さん・・・・」
それを微笑ましく見守る占い師が突然立ち上がった。
「ほら、涙拭いて。今度こそ、お別れだから」
無理やり睦月も立たされ、必死で涙を拭いた。
瞬間、全身が分からない何かで覆われたような感覚に襲われた。
まるで、沖田に抱きしめられているような。
「沖田さん、今までありがとうございました。だ・・・・大好きでした」
震える声でそう言った。
途端、風通しがよくなり、一気に不安が押し寄せた。
突然何かが物足りなくなった感じ。
沖田が側を離れたんだと、実感させられた。
しんとしたその部屋で複雑な空気が漂う。
占い師がゆっくりと口を開いた。
「アンタは幸せになれるよ」