150年後のラブレター



「それでっその人とはどうなったの!?」



また一歩近づく莉奈にその分身を引き、「えっと・・・」と困ったように話し出した。



「それからまた他愛もない話やり取りして、でも全然会えないし、付き合ってもないから友達がもう文通やめちゃえって・・・だから高校3年の時それ言われてからは全く・・・でも、大学入ってその人が病気で死んじゃうって聞いて、慌てて手紙書いたんだけどね、もう我慢できなくなって会いに行ったの」



「うんうん」と大きくうなずき、二人とも分かりやすい合槌をしてみせる。



「そこで会って、好きって言われて、一日だけデートして・・・・帰る時にキスされておしまい。あたしが帰って受けとった手紙はその人が死んだって知らせの手紙だったよ」



あ、空気が重くなった・・・


睦月は二人の表情からそう思い、「ただね」と笑顔を向けた。



「ただ、その人の名前が“沖田”ってだけ」



瞬間、二人の目が輝いた。



「だから沖田くんのことちょっと意識してるのか・・・」



「はあ!?してないって!!」



ここでそうムキになる睦月は、どうやら嘘が下手のようだ。



「じゃあ、睦月さんはそれ以来恋愛してないんですか?」



えらく真面目な表情で問う七海に違和感を感じつつも、「そ、そうなるのかな?」と曖昧に答えた。




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