この手に握るモノ
「ヴリュエル、何処まで行ったんだ?」


左右に呼びかけながら歩いて行くと、蛇を大きくして手足を付けたような魔物が襲いかかってきた。


「どうして面倒事は重なるんだろうな…」


自分より大きな…しかも、命を狙われているというのに、少年は慌てる所か面倒臭そうに溜息をついている。


「ぐぎゃー」


大きな蛇の魔物が口をあけて少年を噛みちぎろうとした


その瞬間、魔物は縦に真っ二つに割れた。


「…弱いモノはどうして自分の力量がわからないんだろうな…」


少年は自分の愛剣についた汚れを払い、鞘にしまうと歩き出した。


「いい加減、戻って来い…ワガママ娘…」
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