この手に握るモノ
「単刀直入に言うよ?」


「お前の回りくどい言い方だと何時間かかるか解らんからな、
どうせならいつも単刀直入に言ってくれると助かる」


そっけない口調のカミルにラフィはクスリと笑う。


「君達とゆっくり話したいだけなんだよ?
でも、まぁ、本題にうつる事にしようか…」


ラフィは今までのふざけた顔から真剣な顔にかえると口を開いた。


「君の記憶の石の一つが見つかったよ」


カミルは眉を微かに動かした。


「本当に!?」


ルエとの言い争いをやめ、ヴリュエルがラフィの腕を掴む。


「本当にカミルの石?」


今までみたことのないほど必死なヴリュエルにラフィは苦笑した。


「石は3年前、砂の里に降りて来た。
ソレから、『地茶石』と呼ばれるようになった…
って噂があるんだけど、ボクは"石"と"3年前"というキーワードから、そう思うだけで、何とも言えないなぁ~」


「お前の事だ、石が本当にソコにあるか確認してあるんだろう?」


カミルがヴリュエルを引き離しながら尋ねる。


「勿論だよ!
石は確かに砂の里にあるよ。けど、本物かどうかは君にしかわからない」


2人は目で会話をして苦笑する。
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