Tea Party!

辺りを見回しても自分以外の人間は見当たらず、どこかの植物園なのだろか。
はたまた御大尽の秘蔵の花園か?

見渡す限りの薔薇薔薇薔薇、薔薇の花園。


雲ひとつ見つけられない、蒼い空がやけに不気味に感じられる。

…蒼すぎるのだ。


見たこともないような空の色や遠来へと澄み渡る蒼と紅のコントラスに慄きながら、無限に広がる一本道を進んでゆく。


「こんなとこ来た覚えはないんやけどなぁ…」

そして周りは色とりどりの薔薇。余程この薔薇園のオーナーは手入れに余念を入れているらしい。
雑草やなんやらは見られない。華麗で華美。それが一面広がっている。

「てか家の近所にこんなんあったっけなぁ?」

ギターを担ぎ、何回目になるか解らない風景確認を行っては首を傾げる。

自然を…と考え思い出せるのは、自分が住む築何十年のオンボロアパートの裏側にある小さな公園の枯れかけた桜の樹ぐらい。


「はあー…」

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