Tea Party!
けれど、思惑とは裏腹に歩けど歩けど一面は薔薇景色。それも真紅のものばっかり。
先程の色とりどりが嘘だったかのように同じ形、同じ色がずらーっと並び咲いている。

「いい加減嫌になってきた、これ…」

最初はまだ良かった。
見慣れない分新鮮さが増して「綺麗だなー」なんて観賞していたけれども、あまりの薔薇の多さに多少げんなりし始めてきた頃、人の気配なんて皆無。そろそろ心細くなり始める。
そんな時でさえ、風は何一つ変わらない穏やかさと薔薇の麗しい薫りと彩り、さして澄み渡り続ける蒼い空は大きな安心感と少しの恐怖心を連れてくる。



『みゃあ〜』

「……!! うわああああ!?」

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