THE FIRST STEP
クラスも異様な雰囲気に包まれていた。
一歩足を踏み入れた途端、
クラス中から突き刺さるさまざまな視線。
その原因が何なのか、さっぱり分からない。
仲の良い子とは挨拶を交わしたけれど
普段あまり関わりのない派手な化粧をした子たちは
私を食い入るように見る、
というより睨み付けてくる。
「さくら」
耳なじみのある声がして
教室内を見渡すと
七奈が小走りに駆け寄ってきた。
「七奈、おはよう」
「ああ、うん」
七奈は私に挨拶もそこそこに
「ちょっとこっち来て」
と私を教室から連れ出した。