THE FIRST STEP
中学二年生のとき
私と藤田くんは付き合っていた。
頭が良くて運動も得意でかっこ良くて。
彼の持つ独特の雰囲気に、密かに憧れている女の子もたくさんいた。
そんな彼が告白してきたときは正直夢じゃないかと疑った。
けれど付き合ったからと言って彼は私をデートに誘うこともなければ
廊下ですれ違っても話しかけてくることはなかった。
私と彼を繋ぐ唯一は
一緒に帰る学校の帰り道だけ。