THE FIRST STEP




目の前には今一番逢いたくて、一番逢いたくない彼が立っていた。




「あのさ、話あるんだけど」

「私はない」


彼の言葉を遮ってこの場を去ろうとすると


「ちょっと待って」


腕を引き寄せられて呆気なく捕まった。




「だから私は話すことなんか…」


「いいから少しは付き合えよ」


真剣な声色に思わず息を飲んだ。




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