THE FIRST STEP
REMEMBER
駅までの道を二人で歩く。
彼と私の間には人ひとり分空いていて、それに月日の流れを感じた。
半歩前を歩く彼の表情はわからない。
「あのさ」
思い切って声をかけると彼はん? と振り向きながら私に歩幅を合わせた。
「な、何で助けてくれたの?」
私の質問にきょとんとする。
かと思ったら笑って
「浅海だからだよ」
と当たり前のように言うのだ。