バイバイまたね
何時間たったんだろう。

気付くと、空は赤くなり始めていた。

「はかどったー。あっもうこんな時間。なんか軽く食べない?お腹すいたな。」

「すっげぇ集中力だったな。怖くて声かけらんなかったよ。」
「余計なこと考えなかったからね。」

「余計なこと?」

「なんでもない。」

そう言うと、優衣はテキパキと荷物を片付け始めた。

何だよ、気になるじゃん。

俺たちは、図書館を出ると、マックへよってから、近場の公園へいくことにした。

「さむぅ。なんでマック混んでたんだろう。」

「日曜だし、時間帯的にも混むんだろ。」

「そっか。覚めないうちに食べよ。いただきまーす。」

「いただきまーす。」

二人して、ハンバーガーにかじりついた。

公園のなかにも、色んな人がいた。

通りを車が走る。

子供たちの笑い声も、車の音に消されていく。

ボールがコロコロと足元へ転がってくる。

俺はそれを投げ返した。

『かわいいね。』

優衣が微笑みながら、言う。

『あぁ。』

俺もそう思った。

優衣と二人で、家族をつくって、家族みんなで、ここへきたいと、本当にそう思ったんだ。
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