バイバイまたね
その女性の話をまとめると、こういうことだ。

私のように、なんの前触れもなく死んだものには時間が与えられる。

生前に、残した未練がある場合、未練が晴らされるまで、地上に残ってもいいらしい。

「でもね。」

女性は、付け加えた。

「もし、誰かを憎む気持ちを強く持ち、人を呪い殺したりしたら、あなたは永遠に悪霊として、地上に残ることになる。」

きっと彼女は、わき見運転をした運転手や、飛び出した子供のことを言っているのだろう。

「大丈夫。」

「そう、じゃぁお行きなさい。」

そして、私は地上へと、還された。

< 17 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop