クリスマス恋語

「理解しようとしなくてもいいのよ。あんたみたいに家に帰れないやつとかのホテル代わりって思っておきなさい。今日はあんただけだけど多い時は10人くらい泊めたこともあるし」



「…えっと、つまりその…あなたは…」



「あぁ、あたしの名前そういや言ってなかったっけ。あたしは水山 守風(ミズヤマ シュンカ)。梨城(ナシシロ)高校2年。あんたは?」



「柑一市立第二高校3年の柏木 桂樹(カシワギ ケイジュ)です」



「ふーん。じゃ柏木、続きどうぞ」



「…えっと、守風さんはそういう人達を更正する仕事をしてるんですか?」



「仕事じゃないっつーの。つーかあたしまだ高2っつったじゃん」



「じ、じゃあ、あなたはボランティアでこういうことをしてるんですね。すごいな…。だから僕に傘を差し出してくれたんですね…」



「んーまぁそんな感じ。てゆーかさ、明後日クリスマスだっつーのに男一人辛気臭ーい顔で何時間もツリーの前ぶん捕ってたら十分目立つっつーの」

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