クリスマス恋語
夏南は走ることが大好きだった。
となりでいつもうれしそうに風を切って走る彼女をいつの間にか僕は好きになっていた。
誰よりも陸上を楽しみ、誰よりも練習を積み重ねていた彼女は夏の大会で全国大会3位という結果を納めた。
地区予選でくすぶっていた僕とは天と地の差…。
こんな様で彼女に告白なんてできるわけがない。
せめて僕も彼女と同じ舞台に立てるようになったら…。
その時この気持ちを彼女に伝えよう。
そう決意した。
こんな情けない自分のままで彼女に気持ちを伝えるなんてできなかったから。
けどその決意は彼女によって呆気なく崩された。