クリスマス恋語
「苺市中央広場の巨大クリスマスツリーイルミネーションかぁ…。でも夏南、クリスマスはまだ一ヶ月以上先じゃん」
「一ヶ月なんてあっという間じゃない!それに私たち、まだ一度もデートらしいことしてないし!それとも何?桂樹は私とクリスマス過ごしたくないってわけ?」
「そ、そんなことないよ!一緒にいたいに決まってるじゃん!!」
「よし!じゃあ決まり!!それにね、このツリーにはステキなジンクスがあるの!!」
「ジンクス?」
「そう。このクリスマスツリーの前で――」
「こらぁ!そこのバカップル!いちゃついてないで早く部活に来いー!」
僕たちの教室の前を通った先輩からそんなお叱りを受けた。
ちなみに僕と夏南が恋人同士になったという事実はいつの間にか陸上部の全員が知っていた。
てゆーかもっと前から付き合ってると思われていたらしい…。