クリスマス恋語
「何してんのあんた。傘もささないでさ。風邪引きたいわけ?」
口調はきついが、そう言って傘を僕に差し出してくれた。
「……えっと…。あ、ありがとう…。でも、君が濡れちゃうんじゃ…」
「折りたたみ携帯してるから。つか予備ももってなくてあんたに傘を差し出すわけないじゃない」
「そ、そう…だよね…」
「ところで坊や、この辺じゃ見ない顔だけどどっから来たの?」
「あ、えっと、柑一(カンイチ)市から…だけど」
てか、僕坊やって歳じゃないんだけども…。
もう高3だし。
君と同じくらい、もしくは年上だと思うんだけどな…。