クリスマス恋語
その疑問に応えるかのように彼女は、いや彼女たちは歌い始めた。
聖なる夜を一層彩るかのように響き渡るクリスマスソング。
広場中が彼女たちの歌に酔いしれている。
今まで感じたことのない感覚。
彼女たちの歌声が身体の底まで響くような…。
こんな素晴らしい歌がこの世界にあったんだ。
不思議だ…。
その歌声を聞いている内に自然と僕の瞳からは涙がこぼれていた。
守風さんともう一人の女の子は、一緒に歌っているようで歌っていない。
二人の別々な想いが歌に乗せて伝わってくる。
切なくて、悲しくて…。
けれど誰にも負けないとても強い意志。
そんな別々の想いが重なって一つの歌を作り上げている。