クリスマス恋語

そう言って夏南は、車椅子から立ち上がり、動けないと、麻痺が残ると言われたその足で僕の元へ近づいてくる。







覚束ない足取ではあるけれど、それでもその一歩は力強く歩みを進める。










「桂樹。…会いたかった」







そっと、夏南の手が僕の頬に触れる。







その時初めて僕は夏南の泣き顔を見た。






どんな時も笑顔を絶やさなかった彼女が、僕に触れて涙を流した。

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