クリスマス恋語
すごいな…。
あんな風に自分の意見を軽々と伝えることができて…。
意志がしっかりしてるというか…。
そういうとこ彼女にそっくりだ。
そう思いながら僕はまたツリーに見入っていた。
気がついたら雨音がしなくなって、イルミネーションの光も消え去っていた。
うわ…。
ボーッとしすぎた。
もう時刻は11時を回ってる。
身体もキンキンに冷えきっていた。
終電、間に合うかな…。
てかこの傘どうしよう。
あの子に帰すべきだよね。
でもどこに住んでるかはおろか、名前さえ聞いてない。
はぁ…。
僕ってホントだめだな――。