クリスマス恋語
「桂樹がいなくなって…。それこそ私の絶望だった…!
けど、ある時陸上部のみんなが持ってきた大会の順位表で桂樹の名前を見つけた時、私、嬉しかったの。
私の前から姿を消しても、桂樹はちゃんと走り続けてるんだって知って。私が好きになった桂樹のままなんだって。
だから私、諦めないって決めた。足掻くって決めた。
もう一度、あなたと一緒に走る為に。
だから桂樹が勝手に私の未来を諦めたこと、絶対に許さない」
「…夏南…っ」
本当は僕だって走ることを止めなくちゃいけなかった。
夏南の未来を奪った罰として。
でも、夏南と離れることは出来ても、走ることだけはどうしても止められなかった。
走る度、罪悪感でいっぱいだったのに。
そんな僕の姿を君は嬉しく思ってくれてたのか…。