その仮面、剥がさせていただきます!
リツには関係ないから。

そう言われる度に辛くなる。

一緒に居て友達ぐらいにはなれたのかなって思っていたのは自分だけだったのかな。

あたしを見たリクの視線から寂しさがこみ上げてくる。

「手……離してくれる?」

どう頑張ってもあたしには話してくれそうにないリクの態度に悲しくなり、掴んでいた手を離した。

あたしから遠ざかるリクの背中に投げかける。

「リクのことが心配なんだよ」

あたしってリクにとってどういう存在なんだろ?

何でも話せる友達でもなく、リクのことを心配できる立場でもない。

ただの手のかかる同級生?

「リツは心配なんてしなくてもいいよ」

リクの言葉に傷つく自分がいる。

「そうだよね。あたしはリクに迷惑ばかりかけるただの隣人だもんね」

「そんなこと……」

背中を向けたままのリク。

こっちを見ようともしないリクに苛立ち言葉をぶつけた。


「リクのことあたしに関係ないって言うんだったら、あたしのことだって放といてよ!リクのこと心配しなくていいって言うんだったら、あたしのことだって心
配しないで!!」




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