その仮面、剥がさせていただきます!
でも待てよ。
昨日リクは今は友達だからここまでが限界って言ってたような。
友達だったらおでこにキスはアリなのか?
考えれば考えるほど分からなくなる。
そんなことを思いながら放課後いつものように一人で準備室に向かっていた。
その途中の廊下で奈緒子がこっちに歩いてくるのが見えた。
「奈緒子!良かった。学校に来られるようになったんだね」
奈緒子に駆け寄ると開口一番にそう言った。
春休み前はずっと学校を休んでいた奈緒子の制服姿を見てあたしはホッとしていた。
「りっちゃんはまだ陸人と付き合ってるの?」
奈緒子から突然そんなことを聞かれて言葉に詰まる。
「う、うん……っていうか友達みたいな付き合いかも」
奈緒子にまで嘘をつくのは悪い気がして曖昧に答えた。
「それでも陸人の傍にいるのはりっちゃんなんだね」
奈緒子の表情は硬い。
何か言わなくちゃと焦るけれど、どう返しても嘘をついてしまう気がして何も言えない。
かと言って本当のことも言えずにいた。