その仮面、剥がさせていただきます!
リクとの約束の日の一日前――――
家に帰ると拓にぃがテレビを観ながら缶ビールを飲んでいた。
「仕事終わったんだ」
「おう」
こっちを見ようともしないで片膝を立てた上にあるビールをまた口に運んだ。
あたしはリクの事で頭が一杯だというのに拓にぃは呑気でいいよね。
カバンを置こうと部屋のドアの前まで行ったけど、その足はリビングに向かっていた。
拓にぃの隣に座ると「なんだ?」と言いたそうな顔がこっちを向く。
「あたしどうすればいいのか分かんなくて」
こうして最後には拓にぃに頼ってしまう。
拓にぃに聞いても仕方ないと思っても誰かに話しを聞いてもらいたかった。