その仮面、剥がさせていただきます!
それでもリクはあたしを離してくれない。
あたしの背中に回っていたリクの手がリクを押しているあたしの手を掴むとキスをしながらあたしをキッチン側に追いやった。
リクと入れ替わる形になってあたしの後ろは後がない。
そして、唇から伝わる刺激に身体がカッと火照ってくる。
何も考えられなくなって立っているのもやっとってぐらい身体の力が抜けていくから思わずリクの腕をぎゅっと掴んだ。
求められるように動くリクの唇があまりにも恍惚で固く閉じていた目が自然に開く。
そしてあたしを見ているリクと目が合った。
その目が優しく笑う。
「や……」
ずっと見られてたっていう恥ずかしさもあって抵抗の意味を込めてさっきよりも強めに押してみたけれどやっぱりそれはムダだった。
心臓のドキドキと息苦しさも重なりもう耐えられそうにない。
「リク……苦しぃ……」
息をするタイミングも知らないあたしはリクに訴えるようにやっと出せた声。
それが功を奏したのかリクの唇があたしから離れていった。