その仮面、剥がさせていただきます!
あのままだと自分がおかしくなっていたかもと、リクに圧倒されて仰け反っていた身体を真っ直ぐに戻してホッと胸を撫で下ろす。
見上げたらリクがあたしを捉えていてまた緊張で体が強張った。
あたしの顔の横にリクの顔が来ると耳元で囁く。
「続きは後で……」
「ふぇ?」
リクの行為によってゾクリとしたのと驚きとで変な声がでてしまった。
続きとは?
頭の中では小さな沢山のあたしが一斉に過去のデータを探す。
でも見つからないのよね。これが。
だってそんな経験ないもん。
平然と夕食の準備をしているリクの横でぎこちなくお手伝いをしているあたし。
ご飯を食べながら楽しそうに笑うリクに対して引きつった笑いで返すあたし。
だって。だってよ。
続き……ってアレのことだよ?
お風呂の湯船でジャバジャバと顔を洗う。
リクとのキスを思い出すと顔が熱くなる。
キスだけであんなに胸がドキドキするのにその続きって……
「絶対ムリ!!」