その仮面、剥がさせていただきます!

リクがあたしの背中のすぐ傍まで寄ってくると耳元にリクの息がかかってゾクッと身体が震える。


逸らすように抱き枕に顔を埋めると今度はあたしの首にリクの柔らかい唇が触れた。


首筋を添うように下へ上へと動くリクの唇。


時折耳まで上がってきた唇は耳を噛むように優しく触れる。


ゾクゾクと寒気にも似た震えが襲ってきて、その度にあたしの体がピクリと動いた。



それでも負けないと抱き枕を抱えながらリクの方に寝返りを打つ。


後ろからの攻撃に耐えられなくなって、これは苦肉の策だった。



それが良かったのかリクからの反撃がない。


しめしめって思ってるとリクのため息が上から聞こえてきた。


埋めていた抱き枕から少しだけ顔を覗かせリクを見る。


「リツは俺よりそいつの方がいいんだ」


そいつ?


どうやらリクは拗ねているようだ。


「リク?」


しまった。


咄嗟に声が出てしまった……


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