その仮面、剥がさせていただきます!
チャイムが鳴り終わるぎりぎりで教室に駆け込んだ。
「珍しいな」
横の席から春樹が話しかけてくるけど、切れる息が苦しくてうんうんと頷くだけで精一杯だった。
お昼休み。
リクからのお弁当もなくてリクも来ない。
『お昼は用事で行けない。友達と食べて』
ケータイのメールをもう一度確認すると深いため息をついた。
用事ってなんだろう?
気になってリクのクラスに行ってみようかとも思ったけど、ただでさえ恨まれているリクの取り巻きたちに睨まれでもしたらたまったもんじゃない。
でも気になる。
隣で春樹がカバンからパンを出して美味しそうに食べ始めた。
「今日陸人は?」
「用があるって」
「へぇ。早速新しい女かぁ?」
春樹をキィッと睨んだけど、あたしだってもしかしたらそうなんじゃないかなって凄く不安になってきた。