その仮面、剥がさせていただきます!

「それは違う……お前に言われてたのに棚を直さなかった先生の責任だ」


先生の言葉でもっと涙が溢れてきた。



暫くすると処置室のドアが開いて浩太とお母さんが出てきた。



泣いていたことを悟られないように涙を腕で拭き椅子から立ち上がる。



浩太の肩を吊っている白い布が痛々しい。



「椎名。肩は大丈夫なのか?」


「はい。一週間は動かさないように言われましたが試合には間に合います」



浩太の笑顔とその言葉で安心したあたしは力が抜けたようにまた長椅子に座り込んだ。



「良かった……」



本当に良かった。


まだ痛さはあるだろうけど安静にさえしてれば大丈夫だよね?


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