その仮面、剥がさせていただきます!

その場にいるのは気まずくて電話をする口実で席を立った。



遅くなったからリク心配してるだろうな。



話しが長引いているのか何かの手続きに途惑っているのか、先生たちもなかなか出てこないからいつ帰れるかも分からない。



ケータイを出してリクに電話をしてみる。


いつもよりも長いコールが聞こえてやっとリクと繋がった。



「リク?今家だよね?」


<……うん>


間があっての返事に少しだけ違和感がある。


「あたし。今日帰りが遅くなりそうなんだ。だから心配しないでね」


<何かあったの?>


「それが……ね。あたしの所為で椎名くんに怪我させちゃって、今病院にいるんだ。あ。怪我はそんなにたいしたことないって言ってたけど一週間は肩を動かしちゃだめなんだって」


<そう……分かったよ>


そう言って電話が切れた。



あたしは真っ暗になったケータイの画面を見つめながら思った。


なんだかリクの様子がおかしい……?

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