その仮面、剥がさせていただきます!

椎名くんはあたしが泣き止むまで黙って胸の中にいるあたしの背中を擦ってくれた。


あたし何やってるんだろ?

リクへのイライラとか自分の辛さとか椎名くんには関係ないのに。



「ごめんね。もう大丈夫だから」


椎名くんから離れると、頬を流れた涙の痕を手のひらで擦って机に向かう。


泣きはらした顔を見られたくなくて俯いたままプリントを整理していた。



「僕だったら上原さんをこんなに悲しませないのに……」


「またまた~。いいよ。無理してそんな冗談言ってくれなくても」


「冗談……か」


「そうだよ。そんなこと他の女の子に言ったら誤解されちゃうよ」



リクも誤解させるような発言をよくしていた。


男子ってみんなそうなのかな?


冗談だって分からなかったあたしがいけなかったのかな?


やばい。


また泣きそう……


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