その仮面、剥がさせていただきます!
「へ~」

「な。だから誤解なんだよ」


だったらリクに付いてた香水の匂いは?

絶対にキスしてるって分かるグロスの後は?


あたしの怒りが頂点に達した。


「三日間かけて二人で考えた言い訳がソレ?ふざけないでよ!」


しかもその言い訳を春樹に言わせるってなんなのよ!


せっかくひっこめた涙が一気にあふれ出す。


あたしは泣きながら春樹の胸を拳で何度も叩いた。


「だから言ったんだよ……オレには仲裁はムリだって」


春樹はあたしを止めずにされるままになっていた。


自分でも分かってる。


椎名くんに慰められたとしても、春樹に怒りをぶつけたとしても、何も変わらないことぐらい。



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