その仮面、剥がさせていただきます!
飛び出したリクんちの玄関から七歩進むと自分の家の玄関にたどり着く。


なんて近い距離なんだろう……


リクとの心の距離もこんなに近かったらいいのに。


ふて腐れるように布団に包まってベッドの上で寝ていると拓にぃが仕事から帰ってきて部屋を覗いた。



「今日もこっちにいるのか?弁当買ってきたから食べろ」


「ん……いらない。拓にぃ」


「何だ?」


「リクが来ても絶対に中には入れないで」


「また喧嘩か」


「いいから!」


ブツブツ文句を言う拓にぃの声がしながらドアは閉まった。


拓にぃにはああ言ったけど、リクがあたしに会いにくることはもうないかもしれない。



それならそれでいい……



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