その仮面、剥がさせていただきます!
「今すぐ陸人と別れてよ!今ここで約束して!」
「約束って言われても……」
あんたたち、ユメカの恐ろしさ知らないでしょ?
「卒業まであと一年しかないのよ。一人が一か月付き合ったとしても、12人しか付き合えないの」
「ちょっと待って、それってもう順番とか決まってたりするとか?」
「ええ。もちろん」
涙を拭いながらも、女は当たり前のようにそう言った。
「呆れた……」
「何よ。いいじゃない。高校生活の思い出に陸人と少しでも付き合えたら言うことないわ。あんな完璧なカレシ、これから先付き合えないかもしれないじゃない!」
「だからって……ね」
「さっきから何よ!あなた自分の立場分かってるの!?」
女が立ち上がると、お仲間と一緒に取り囲む輪を狭めた。
何人もの女子に囲まれると迫力がある。
この中の女子はみんなリクと付き合う順番待ちのカノジョたち?
「あ、あなたたちがそれで良くても、相手の気持ちとか考えないの?」
そう。みんなのものとか言って、肝心のリクの気持ちはムシされている気がする。
「陸人は優しいからみんなのことを大事にしてくれるわ」
「あんたはそれでいいの?自分のことだけ見ていてほしいとか思わないの?」
「それは……」
「リクにだって気持ちがある。みんなのものとか誰かのものとか、そんなのおかしいよ。リクは物じゃない」
思い出作りにリクと付き合う?
そんなのおかしいよ。
「何よ!今カノだからって偉そうに説教しないでよ!!」
女はあたしの頬めがけて手を振り放つと、体育館の中にパーンという音が鳴り響く。そして今度はあたしに掴みかかってきた。
あたしも負けじと女の肩に掴みかかる。女を押し倒すと体を反転させられ今度は女の方があたしを見下ろす。
二人の取っ組み合いの喧嘩に、周りにいる女子たちはおろおろと周りを囲んでいるだけだった。
「約束って言われても……」
あんたたち、ユメカの恐ろしさ知らないでしょ?
「卒業まであと一年しかないのよ。一人が一か月付き合ったとしても、12人しか付き合えないの」
「ちょっと待って、それってもう順番とか決まってたりするとか?」
「ええ。もちろん」
涙を拭いながらも、女は当たり前のようにそう言った。
「呆れた……」
「何よ。いいじゃない。高校生活の思い出に陸人と少しでも付き合えたら言うことないわ。あんな完璧なカレシ、これから先付き合えないかもしれないじゃない!」
「だからって……ね」
「さっきから何よ!あなた自分の立場分かってるの!?」
女が立ち上がると、お仲間と一緒に取り囲む輪を狭めた。
何人もの女子に囲まれると迫力がある。
この中の女子はみんなリクと付き合う順番待ちのカノジョたち?
「あ、あなたたちがそれで良くても、相手の気持ちとか考えないの?」
そう。みんなのものとか言って、肝心のリクの気持ちはムシされている気がする。
「陸人は優しいからみんなのことを大事にしてくれるわ」
「あんたはそれでいいの?自分のことだけ見ていてほしいとか思わないの?」
「それは……」
「リクにだって気持ちがある。みんなのものとか誰かのものとか、そんなのおかしいよ。リクは物じゃない」
思い出作りにリクと付き合う?
そんなのおかしいよ。
「何よ!今カノだからって偉そうに説教しないでよ!!」
女はあたしの頬めがけて手を振り放つと、体育館の中にパーンという音が鳴り響く。そして今度はあたしに掴みかかってきた。
あたしも負けじと女の肩に掴みかかる。女を押し倒すと体を反転させられ今度は女の方があたしを見下ろす。
二人の取っ組み合いの喧嘩に、周りにいる女子たちはおろおろと周りを囲んでいるだけだった。